据置鉛蓄電池は、公称2Vのセルを直列につないで総電圧をつくります。24V=12セル、48V=24セル、100V=50セルが基本です。運転中の総電圧は「浮動充電電圧×直列セル数」で決まり、制御弁式は2.23V/セル、ベント式のHS形は2.18V/セルが基準です。この関係を使えば、系統電圧から直列セル数を検算できます。
こんにちは、セントレイの佐藤です!このコラムでは、産業用蓄電池まわりの「現場で役に立つ話」をお届けしています。
今回は、総電圧とセル数の関係です。更新の手配は、まず蓄電池の銘板シールで型式・数量を確認するのが基本です。ただ銘板が読めないときや数え違いが心配なときも、仕組みさえ押さえておけば系統電圧から検算して自分で潰せてしまうんです!基本を整理します。
総電圧はどのようにつくられるのか
据置鉛蓄電池は、公称2Vのセルを直列につないで系統に必要な電圧をつくります。何セル直列にするかで総電圧が決まる、という構造です。2Vセル換算では次のとおりです。
- 24V = 12セル
- 48V = 24セル
- 100V = 50セル
ここで見落としやすいのが、制御弁式の6V電池・12V電池です。これらは1個の中で3セル・6セルを直列にしたブロック(モノブロック)で、外から見える電池の個数と、内部の合計セル数は別物です。たとえば12Vのブロックを10個直列にすると、電池は10個でも内部のセルは60個。銘板の電池電圧だけで数えると、この内部セル数を取り違えます。数えるときは「電池の個数」と「合計セル数」を分けて押さえます。
運転中の総電圧はどう計算するのか
運転中の総電圧は、浮動充電電圧×直列セル数で求められます。据置蓄電池は常時、浮動充電で満充電を保っています。制御弁式(MSE/HSE/FVL)の浮動充電電圧は2.23V/セルが基準(取扱説明書記載値)です。つまり運転中の総電圧は次の関係になります。
総電圧 = 浮動充電電圧(2.23V/セル)× 直列セル数
たとえば制御弁式で2Vセルを54個直列にした系統なら、2.23×54=120.4V。直流電源装置につながる100V級の系統では、この54セル前後の構成がよく見られます。逆に運転中の総電圧を実測すれば、それを1セルあたりの浮動充電電圧で割って、およその直列セル数を逆算できます。ここで割る値は形式で変わります。2Vセルを並べる据置形なら、制御弁式(MSE・HSE・FVLなど)は2.23V/セル、ベント式のHS形は2.18V/セルです。さらに小形制御弁式のREH形のような12Vモノブロックは、1個の中に6セルが入っていて、フロート電圧も1個あたりで管理するため、2Vセルの2.23V/セルとは別建てになります。すべての蓄電池が2.23V/セルではないので、割る前に、まず既設の形式と1セルあたりの浮動充電電圧を押さえるのが前提になります。この行き来ができると、現地で数えたセル数と系統電圧が整合しているかを、その場で検算できます。
直列と並列・組数はどう違うのか
直列は電圧をつくるための接続、並列・組数は容量を増やすための接続で、役割が違います。数え方で混乱しやすいのが、この直列と並列(組数)の区別です。同じ型式を2組並列にすれば、総電圧は変わらず容量がおよそ2倍になる、という具合です。「電圧の話か、容量の話か」を分けて数えると、直列セル数と組数を取り違えません。
ここまでを、現場のひと場面に当てはめてみます。たとえば銘板シールに「HSE-50-12 ×6/150Ah(10HR)/24V」とあったとします。読み解くと、12V・50Ahの電池が6個で、システムは24V・150Ah。ここから配列が決まります。24Vをつくるには12Vを2個直列、150Ahにするには50Ahを3組並列。つまり2個直列×3並列で6個、という組み方です。銘板を「型式・容量・電圧・数量」に分解すれば、必要な直列数と並列数はこうして読み取れます。
配列が決まったら、大事なのは接続を間違えないことです。直列と並列を取り違えると、狙った電圧や容量にならないばかりか、つなぎ方によっては短絡や機器の故障を招きます。そこで、組み付けたあとに端子間の総電圧をテスターで測り、狙いどおりの電圧が出ているかを必ず確認します。目安は「1個あたりの電圧×直列数」で、この例なら12V級を2個直列なので24V前後(浮動充電中は、1個あたりの充電電圧ぶん高めに出ます)。値が大きくずれていれば、直列・並列の取り違えや極性の間違いを疑い、結線を見直します。充電器出力のMCCB投入の前にこのひと確認を入れておけば、後戻りの大きいトラブルを防げます。配列や結線に迷いが出たときは、銘板の型式と数量を教えてください。組み方の考え方から手配まで、一緒に整理します。
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう!
──株式会社セントレイ 佐藤

