COLUMNコラム

なぜ産業用バックアップに鉛蓄電池が使われるのか

屋上の蓄電池設備

産業用バックアップに鉛蓄電池が使われ続けるのは、常時待機の据置用途に対して、長年の実績と確立した運用基準、待機と大電流放電を両立する特性、容量あたりのコスト、回収・リサイクル体制がかみ合っているためです。電池は「最新かどうか」ではなく「その用途に合うか」で選ぶのが本筋で、鉛蓄電池はこの条件によく合っています。

こんにちは、セントレイの佐藤です!このコラムでは、産業用蓄電池まわりの「現場で役に立つ話」をお届けしています。

二次電池にはいくつも種類がありますが、常時待機の据置用途(非常用電源・UPS・直流電源)で主力となるのは、意外に思われるかもしれませんが、いまも鉛蓄電池なんです!では、なぜその中で鉛蓄電池が使われ続けるのか。今回はその理由を、いくつかの事実に沿って整理します。

なぜ実績と運用基準の確立が決め手になる?

第一の理由は、長年の実績と運用基準の確かさです。鉛蓄電池は据置バックアップ分野で数十年にわたり使われ、期待寿命・浮動充電電圧・劣化判定といった運用の基準が、メーカーの取扱説明書やJISで体系化されています。据置形の制御弁式なら浮動充電は2.23V/セルが基準、規定値を外れるセルが一定割合を超えたら寿命と判断する、といった物差しが定まっている。故障の兆候の出方も知られていて、点検で先手を打てます。この「予測して運用できる」ことは、止められない設備を支えるうえで何より効きます。新しさより、枯れて安定していることが価値になる領域です。

待機と大電流、両方に応えられるのはなぜ?

第二の理由は、据置バックアップの使われ方との相性のよさです。この用途の多くは、平常時は浮動充電で満充電のまま待機し、非常時にまとまった電流を一気に供給します。鉛蓄電池は、常に満充電を保ち続ける待機の使い方に強く、同時に、UPSや発電機の始動のように短時間で大電流を取り出す放電にも対応できます。内部の抵抗が低く、瞬間的に大きな電流を流せるためで、待機主体でありながら「いざ」というときの瞬発力も備えています。この両立が、バックアップ用途によく合っています。

コストとリサイクルの面ではどんな強みがある?

第三の理由は、容量あたりのコストです。バックアップ用途は相応の容量を確保する必要があり、必要な容量を大きく組むときに、鉛蓄電池はコストを抑えやすい実際的な選択肢になります。

第四の理由は、回収・リサイクルの仕組みが確立していることです。使用済みの鉛蓄電池は、メーカーの広域認定などを通じて回収され、取り出した鉛がふたたび新しい電池の材料に戻る資源循環ができあがっています。設備更新で入れ替える際に、撤去した古い電池の処理まで見通せることは、運用上の安心材料になります。

「最新か」ではなく「用途に合うか」

電池は「最新かどうか」ではなく「その用途に合うか」で選ぶのが本筋です。近年はリチウムイオン電池も普及しましたが、鉛蓄電池が古くて劣るという話ではありません。リチウムは軽くエネルギー密度が高い一方、常時満充電での長期待機・大容量・コスト・広い温度環境といった据置バックアップの条件では、鉛蓄電池のかみ合いのよさが際立ちます。常時待機の据置バックアップという条件に対して、鉛蓄電池は実績・信頼性・大電流特性・コスト・リサイクル体制がかみ合っており、だからこそこの分野で選ばれ続けています。

「うちの設備にはどのタイプが合うのか」。そんなときも、用途と機種の系統から一緒に整理できます。既設の型式と数量がわかれば、納期の目安まで含めてお見積りします。

それではまた、次回のコラムでお会いしましょう!
──株式会社セントレイ 佐藤

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